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光合成で発電する藻を使った電池!?1年以上IoT機器を駆動可能

モノがインターネットに繋がることが当たり前になっていますよね。そのIoTを藻類で動かす研究をしている大学があります。

ケンブリッジ大学の研究者らが、藻類を使った環境発電システムを開発したと発表しました。
単三電池ほどの大きさの機器に光合成の際に電流を発生する藻類を内部に含み、IoTデバイスのCPUを1年以上駆動する実証実験に成功しました。

藻類には、種類によって水素を生成したり排水を浄化したり大気中のCO2を除去したりバイオ燃料の原料になったり様々な方法でクリーンな技術を発展させる可能性があると注目を浴びています。

ケンブリッジ大学の研究者たちは、この藻類の発電する能力もあることに着目をしました。

着目したシネコシスティスと称するラン藻の一種は、ほかの植物と一緒で光合成によって太陽から自然エネルギーを得ていますが、その際に微弱な電流を発生しています。なので、水槽の中に電極を入れればその電流を取り出して電池として扱うことが可能になります。

環境発電システムは、一般的に入手可能で安価かつリサイクル可能なパールで作られています。構造はシンプルで小さな容器にシネコシスティスと水を入れただけのものです。この藻類が発生する電気はアルミニウムの電極を通じて外部へ供給できるようになっています。

この研究に共同研究者として協力しているチップメーカーの「Arm」がテスト用プロセッサーの「Arm Cortex M0+」を搭載して機器やデータ収集用のクラウドインターフェースなどを提供して実験を行いました。

実験は屋内と半野外環境にシステムを設置し動作を確認しました。その結果、IoT機器が駆動できる程度の電力があれば、長期にわたり生成・供給が可能ということが確認することができました。
また、昼間だけではなく夜間でもある程度の電力を発生することも分かりました。日中に夜間のためにエサとなる物質を生成して暗くなるとそのエサを消費して電力を発生させているようです。

参照:Energy&EnvironmentalScience

藻類バイオマスとは

上記の研究で使用されている藻は、藻類バイオマスと呼ばれています。
バイオマス(biomass=生物 bio+物質の量 mass)は、生体活動に伴って生成するもの、または生態学の分野で植物・微生物体の有機物を物量換算して涼を表す言葉です。しかし、石油ショック以降「エネルギー源としての生物資源」の意味を含むようになりました。

バイオマスを用いた燃料は「バイオ燃料」と呼ばれています。バイオマスから得られるエネルギーを「バイオエネルギー」「バイオマスエネルギー」といいます。バイオマスが燃焼する際に放出するCO2は、生物の成長過程で光合成をおこない大気中から吸収されたCO2です。化石燃料由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することで問題になっている温室効果ガスの1つであるCO2の排出量削減に大きく貢献することができます。

微細藻類によるバイオ燃料は、植物由来のバイオ燃料に比べ桁違いに生産効率が高いです。また、トウモロコシのように食品利用との競合もないため次世代のバイオ燃料として注目されています。

まとめ

この藻類を使用したシステムは、5年以内に商用利用が可能になると研究者たちは予想しています。どんどん研究が進み世界的にこのシステムが広がれば地球温暖化問題のCO2を大幅に削減することができるかもしれませんね。

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